夏は身体にとって過酷な季節です。
冬の冷たい外気にさらされて喉まで傷める環境とは、また違った過酷さがありますね。
決して汗をかいて不快だから過酷である、というだけではないのです。
夏の過酷さの原因について、お肌への影響と共に紐解いていきましょう。
夏が過酷に感じられる理由とは
夏はなぜ、身体にもお肌にも過酷な季節、と言われるのでしょうか。
真っ先に挙げられるのは、紫外線です。
夏の紫外線は、冬の紫外線の量のおよそ3倍と言われています。
さらに最近では、肌への有害性以外にも、紫外線を浴び続けることによる身体への別の影響も指摘されています。
まず、眼から入ってきた紫外線が、活性酸素を発生させます。
その後、自律神経を乱すことで、全身の疲労感を引き起こす、というメカニズムです。
つまり、夏の強い日差しによる疲労感は、眼から差し込んでくる紫外線が原因、ということが分かってきているのです。
夏、晴天の下で長時間過ごしている状況を想像してみましょう。
確かに、身体を積極的に動かしていないのに、なぜかぐったりと疲労しますよね。
決して、多量に発汗しているから、とか、熱中症になりかけているから、という理由だけではないということです。
この眼から入ってくる紫外線による疲労感は、サングラスなどで紫外線から眼を守ることで軽減できます。
夏のサングラスは、眼球の色素の薄い方のためのものとか、ファッション的な要素だけではないことがよくわかりますね。
「夏の日差しが眼に入ると、異様に眩しくて痛みを感じる…」
「夏に外出すると、そこまで活動していないのに、ものすごく疲労する…」
そんな方はサングラスで積極的に眼をガードして、眼からやってくる疲労感と紫外線の浴び過ぎによる眼病を、積極的に予防しましょう。
近頃は、色の薄いサングラスなども多く出回っています。
色の濃いサングラスと服装がマッチしない…、という方には、色の薄いサングラスがお勧めです。
紫外線は悪者?全く浴びないのも問題に
そしてご存じのとおり、紫外線は、お肌の色素沈着による日焼けやシミ、シワの原因となります。
さらに、紫外線は皮膚細胞そのものを傷つけ、肌の老化を促進すると言われています。
浴びるだけで身体の疲労の原因にもなるし、シミやシワの原因になるし、それだけ聞くと紫外線は悪魔のようです。
「紫外線は悪!だから絶対に浴びないようにするんだ!」
そんなふうに思って、腕も脚も黒いウェアで覆って、完全に紫外線をブロックしようとするのは、ちょっと待って!
紫外線の防止のし過ぎ、もまた、健康を害する、と言われているのです。
紫外線を浴びることで、生成される栄養素をご存じでしょうか。
そうです。ビタミンDですね。
ビタミンDは、丈夫な骨の育成に必要な、身体に欠かせない栄養素の一つです。
夏場の紫外線量であれば、15分から30分、日光の下で過ごすことで必要量が生成されると言われています。
身体中に日焼け止めを塗ったりして紫外線を徹底的にガードしていると、身体に必要なビタミンDが充分に生成されない可能性があります。
紫外線は、完全に悪者というわけではなく、適切な量であれば、浴びることも大切なのですね。
紫外線による乾燥に加え、さっぱりアイテムにより乾燥が促進
そして、さらに気をつけなければならないのは「乾燥」です。
夏のエアコンの影響も手伝って、気が付けば喉まで痛い。
肌は粉ふきするほどの乾燥が進んでしまっていた。
そんな方もいるかもしれません。
特に夏のお肌の乾燥にはすぐに気が付くことが難しく、密かに確実に進みます。
そのため、肌のトラブルが表面化してからやっと気が付く、といったことになりがちなのです。
ではなぜ、夏は乾燥に気付きにくいのでしょうか。
まず、皮脂や汗で、肌の内側のコンディションが分かりにくい状態になります。
皮脂や汗をかいていると、肌表面としては潤っているように錯覚することはないでしょうか。
更に、気温と湿度の上昇に伴い、肌の潤いを守るようなこっくりしたアイテムの使用を避けるようになります。
さっぱり、さらっとした使用感のスキンケアが中心になるのですね。
夏場の乾燥が進む一因として、さっぱり、さらっとした夏用コスメの継続使用が、乾燥が進む大きな要因となるのです。
では、肌の乾燥がなぜそんなに怖いのでしょうか。
肌のトラブルの第一歩は、肌が乾燥した状態から始まるからです。
肌が乾燥している状態というのは、水分量、皮脂量が正しく保てなくなっている状態です。
乾燥していると、肌荒れやエイジングの加速が進行しやすくなるのです。
お肌が粉ふき状態…?こんな症状には要注意!
「肌の乾燥って言っても、肌トラブルにまで発展したことなんてないから気にしなーい」
という方もいるでしょう。
でも、ちょっと待った!
夏の高温多湿が数週間継続したある日。
こんな症状が現れた覚えはありませんか?
思い切り笑ったタイミングで、目尻に寄ったシワが “クシャ” と感じられた。
笑って引っ張られた口もとの両端にできたシワが刻まれて残った。
それは、どちらもお肌が砂漠状態になっているサインです。
特に目もとは、非常に皮膚が薄く、乾燥が進みやすい部位。
極度に乾燥が進行した状態で、笑顔を作ったら…。
“クシャ” っとシワを刻むことで、一生ものの消えないシワとなって深く刻まれてしまうかもしれません。
「そうなんだ。それなら夏場は・・・もう笑わないようにしよう・・・」
というわけにはいきませんよね。
それはそれで、ココロの健康が保てなくなってしまいます。
そう、笑わないようにするよりも、きちんと目もと、口もとのケアをして、心置きなく思い切り笑えるための対策をしておきましょう!
夏のエイジング加速にブレーキを!
夏の肌荒れ・エイジングを加速させない対処法として、2点ほどご提案します。
夏用のアイテムと冬用のアイテムを交互に使いましょう
多くのコスメブランドが、夏用、冬用と季節に合ったアイテムを販売しています。
そこで、あえて夏場に保湿力の高い冬用のアイテムを織り交ぜて使いしょう。
「でも、今日も紫外線かなり浴びちゃったし、美白重視の夏用のアイテムを使いたいなぁ」
という方もいらっしゃると思います。
そういう日は、朝と晩で使い分ければいいのです。
紫外線を多く浴びた夜は、日焼けケアを重視した夏用のアイテム。
翌朝は保湿を重視した冬用アイテムを使います。
砂漠状態のお肌は、冬用のアイテムの成分をしっかり吸収して、乾燥状態から息を吹き返すはずです。
夏でもオイルを使いましょう
「夏なのに、オイル?!」
「夏にオイルを使うなんて、考えただけで肌がもったりしそう…」
という方もいることでしょう。
しかし、オイルは決して、べたつくものばかりではないのです。
何といっても、オイルの保湿力は強力です。
一度陥ってしまった砂漠状態から肌を救済したい方は、敬遠しないで使用を検討してみることをお勧めします。
「夏に使うと、ぽつっと吹き出物が・・」
というような場合は、オイルがお肌に合っていない可能性があります。
お肌に合うオイルなら、すっと馴染んで、夏の一番過酷な時期の保湿に、多いに活躍してくれますよ。
未来のお肌のために、自分に合うオイルを探してみてくださいね。
暑い季節にいつの間にか忍び寄る乾燥のせいで、秋にしょんぼりすることのないよう、夏の保湿もぬかりなく!